壁紙の会社といえば・・・
恐らくほとんどの人が「サンゲツ」または「リリカラ」とか答えると思います。
確かにもうかなりインテリア業界のトップシェア企業として長く君臨しているし、
テレビCMもやっているから当然の知名度。取り扱い商品も壁紙のみならずカーテン、
絨毯から色々なインテリアアイテムを取り扱っていますからね。
ですが、サンゲツは「メーカー」ではありません。
「商社」なのです。
サンゲツは壁紙を作っている訳じゃないのです。
サンゲツ等のインテリア商社は、国内多数の壁紙メーカーが作った壁紙を集めて
見本帳を作り、それを元に商品を販売しているのです。
皆さん当然ご存知と思いますが、新築またはリフォームで壁紙を張り替えたいと言う場合、
ハウスメーカーや施工業者は必ずあの分厚い壁紙見本帳を持ってきて、
「ここから選んでくださいね~」ってなりますよね。
この「全国どの業者も持っている壁紙見本帳」のネットワーク、インフラこそ商社の最大の強み。
壁紙メーカーは自社販売をしていない、と言うか出来ないので、
サンゲツ等が作る見本帳に載せてもらう為に常に沢山の壁紙デザイン開発を行い
必死にその見本帳への掲載してもらう努力をし続けるのです。
見本帳は3年程度で毎回更新されるので、その間にたくさんの企画が言い渡され
それぞれの企画に対してメーカーが何十柄というデザインを提案していきます。
要するにサンゲツに気に入ってもらえるようなデザインを作りまくり、
その中の何分の1〜何十分の1(!?)が見本帳に採用!となる感じですね。
実際、自分のいた壁紙メーカーでは二十数柄を提案して、わずか2柄程度の採用だったと
いう時もありました。
もちろん時代のトレンドや傾向をつかむというのは当然なのですが、
さらには商社の窓口(各担当の方)が、どんなデザインが好みかをつかみ、好みのような
感じを提案するというのも大切な要素です(笑)。
あとは商社により好みの傾向というか、立ち位置(キャラ)があります。
〇〇は王道、△△はコンサバ系、□□は変わり種が好みだから・・・・という感じですね。
まあとにかく色々な要素が絡んでいるのです。
なので、あくまで見本帳に載っている壁紙の裏では、多数の採用されなかった壁紙たちがいて、
メーカーの犠牲が払われているということを覚えておいてください(笑)。