現在、少子高齢「化」ではなく、本当に子供より高齢者の多い少子高齢社会となりました。
次の時代を担う子どもたちの部屋、その部屋にどんな壁紙を選べば良いのか、子どもたちを取り巻く状況を含めて、これからの子どもたちに必要な子供部屋を考えてゆきます。
総務省統計で見る現在の15歳未満人口は 1605 万人。全体の人口に占める子供の割合は 12.6%。
これは 42 年連続の低下です。日本は未曾有の人口減少時代へと進んでいます。
こんな時代に大事な子供達をどう育ててゆけばいいのでしょうか?
情報があふれ、価値観が多様化する中で、子供部屋はただの白い壁でいいのでしょうか?
これからの社会を支える子供達の健やかな成長が日本の未来の鍵を握っていると言っても言い過ぎではないと思います。
今、日本の子供達が直面している問題に対して、部屋という環境は子どもたちに何ができるのでしょうか?
男の子と女の子で微妙な違いはありますが、双方に共通するのはこの3点かと思われます。
もちろん、部屋の環境だけでこのような子に育つかは疑問です。
しかし、これらの特性に導きやすい色彩心理に基づいた色彩設計をすることはできます。
現代の子供達に求められている条件として上記の1~3が挙げられましたが、こちらはどちらかというと幼児期の子供に見られる傾向でした。
つまり、新築で家を建てることが多い世代のお子様と考えられます。
さらに、もう少し年齢の高い世代の子供達にとって必要なのは、上記の項目に加えて、現在の家庭や学校における人間関係の複雑さ (離婚・再婚による家族関係の不安定さや、学校内カースト、受験などがもたらす不安)からのやすらぎの場所として自分の部屋が意識されていることも忘れてはならないでしょう。
そこで4のやすらぎもテーマに加えます。
コミュニケーションの色といえば
●黄色
●オレンジ
が挙げられます。
幼児などは、はっきりした色を好む傾向がありますが、あまり強い色にばかり晒されていると、落ち着かないのは大人も子供も同じです。
また部屋の色として、黄色とオレンジというのは、原色では刺激が強すぎるので、黄緑から優しい黄色、そこに差し色としてオレンジを入れるというのがおすすめです。
また攻撃性を弱めるピンクも上手に取り入れられたら良いと思います。
オレンジをサーモンピンクに寄せるというのもおすすめです。
自分を抑えるのが得意でない子には、もう少し優しく柔らかな色に変えるのも一つの方法かと思います。
集中力をもたらすのは青が一般的です。さらに活発さを表す色はオレンジ。
実はこの二つは色相環でいうと心理補色です。
どちらかの色をじっと見ると、もう一つの色が残像として見えるというのが心理補色です。
つまりまったく違う色に見えて一つの色を見るとお互いが欲しくなる色といえます。
●青
●オレンジ
●黄色
青とオレンジは一見反対の色に見えながら落ち着く組み合わせなのも特徴です。
ただし、反対の色同士なのでそれだけですと落ち着きません。
ニュートラルカラーのグレイや白、柔らかい黄色などを挟むと落ち着きます。
集中力が必要なのか、活発さが必要なのかは人によって異なりますので、色の分量はお子様によって加減されると良いかと思います。
男子と女子ではまた好む色も変わります。女子ではブルーを柔らかな水色にしたり、オレンジをサーモンピンクにして、全体的に優しい印象にするのも一つです。
好奇心を持ち、意欲的に学ぶ好奇心 = ワクワクとした興味とすると、やはりオレンジ、それも赤に近いオレンジが挙げられます。
さらに、みずみずしい黄緑、水色なども挙げられます。
そこに意欲的に学ぶ = 熱意とすると赤などが差し色で入ると良いと思います。
●赤みの強いオレンジ
●黄味の強い黄緑 : ライムグリーンのような鮮やかな黄緑
●きれいな水色
これを白の多い場所に配すると楽しいコントラストが生まれ、ワクワク感が出ます。
現代の子供のストレスは、今の親世代が子供の時よりも多いかもしれません。
どの世代でも子供の頃は抑圧や忍耐などを強いられることがありましたが、昨今ではさらにいじめへのストレス、女の子達はクラスの中でのグループでのストレスなどで、勉強以外にも習い事や人間関係でのストレスに晒されることが多いと考えられます。
そんな子供達の部屋の色は、刺激を抑えて、落ち着いた色が良いでしょう。
●ピンク
●グリーン
●紫系
●紺
紫や紺といった色は、一人で静かに考え事をするための色ですが、優しい色や白を混ぜて暗くなりすぎないようにしないと、うつ状態になりやすくなりますので気をつけてください。
パステル調の使い方が望ましいです。