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2017.07.03 かべいろブログ

インクジェット壁紙印刷の苦労

インクジェット壁紙(クロス)の印刷は、結構、というかシビアだ。

 

日本人は世界有数の几帳面(神経質?)国家。

購入商品に少しでも傷や不具合でもあろうものなら、即刻クレームがつく。

そしてすぐ返品、交換と相成る。

だから日本で商売できれば世界中で商売出来るよ、とはよく言ったものである。

 

インクジェット壁紙は、例えば1枚の壁面が横5m、高さ2.5mの場合、約90cmに絵(デザイン)を分割して

現場に納品する。そして現場で1枚ずつその絵を合わせながら施工していき、最終的に1枚の絵(デザイン)にする。

 

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例えばこんな宇宙の壁紙を貼る場合、図のように分割して印刷する。

一番右の1枚目と、2番目が隣り合わせになる。

すると、特にこういった黒系、濃色の壁紙に顕著に出るのだが、1枚目のみ色が微妙にずれてしまう不具合が起きる場合が導入当初ちょくちょくあった。

当初はなぜ起きるのか?全くわからずその都度新しく印刷し直していたりした。インクコストも考えると大変な損失だった。。

でも徐々に原因がわかってきた。実は「印刷時の気温」が大きく影響していたことがわかったのだ。

正しくは、「印刷機の置いてある部屋の気温」。つまり印刷機自体の温度だ。

 

 

主に色が合わない不具合が出るのは冬だった。冬の寒い、まだ印刷機があったまっていない時に印刷しはじめると1枚目のタイル(と呼んでいる)は完全な発色をしてくれない。で、1枚目の終わりくらいから印刷機が温まり始め、2枚目には温まっているので通常の色で出る。見た目はわからないレベルなので出荷してしまい、それを現場で貼り明るいところで見てみると「1枚目のみ微妙に色が違う!」というクレームがつく。

当然こちらは「!?」で、結局メーカーにも電話して聞いたりすると、どうも気温が怪しいことがわかった。

原因をようやく突き止められたその後からは、しっかり印刷機が置いてある部屋の気温管理をしっかりやるようになり、色の差が出る不具合を抑えられている。

 

工場やものづくりに携わっている方なら温度管理など当然!とお思いだと思うが、導入当時はわからないことだらけだった。

その時分にご迷惑をかけたお客様もいた。今となっては申し訳ない限りだが、いろいろな失敗を通ってきたからこその安定したものづくりが出来る今がある。

そんな時、NHKのプロフェッショナルを見ると、どんなプロも数々の失敗や挫折を経てきた物語があるのがわかると「だよね〜」と勝手に共感してしまうのだ。(笑)

 

 

 

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